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ソフトウェア例え話、格言、小噺

2016年になってから色んなソフトウェアエンジニアの人と話してきて、その中で3人から聞いた例え話、格言、小噺が面白かったので、僕の中だけで留めておかずに開放しておく。

息継ぎをするには『まず息を吐く』という例え話

水泳で息継ぎをするなら『まず息を吐きなさい』と教わるらしい。これは息を吐かずにどこかで息を貯めてしまうと、ちゃんと息を吸えないという事を意味してる。息を吐くと苦しくなって顔は絶対に水面に出る。

これと同じことがソフトウェアの学習にも言える。

つまりまずアウトプットする、なんでも良い。作ったものをGitHubに公開するとか、発表するとか、ブログやQiitaに書くとか。ちゃんとアウトプットしたものはフィードバックがあり、そのフィードバックを受ける(PRやissue, 質問, マサカリ etc)、どんどん吐き出していくと吸わないとネタがなくなるので、吸い込むためにまたインプットする。

同じような話として、教えることで勉強するという学習法がある。

自分が誰かに教える役になるというのは実は一定の知識がないとできない。

アウトプットする、という最初の一歩は躊躇しがちかもしれないが、アウトプットすればするほど次のインプットになり、良い効果が得られる。

ちなみにこの例え話は及川卓也さんとの対談で語っていただきました(ちなみに下の記事じゃなくて多分別な記事になるはず)。

logmi.jp

プロジェクトを失敗させる方法

プロジェクトを絶対に失敗させる方法というのが1つある、関係者をひとつにまとめずにバラバラの部屋に分けること。

ソフトウェア開発プロジェクトでも考えると1つの部屋で広い部屋を借りるか複数の狭い部屋を借りて部屋を分けるのとどっちが都合が良いか、というと圧倒的に前者。

まず、一つの部屋にまとまってると直接顔を見てコミュニケーションがしやすい。部屋が分かれてるとそれだけでコミュニケーションコストがかかる。SlackやIRCなどでコミュニケーションはできるとはいえ、やっぱり表情を見ながらホワイトボードに書きながらの話ができるのとは少し違う。

さらに言うと、プロジェクトには『偶発的なコミュニケーション』が重要になる。偶発的なコミュニケーションというのは、たまたま聞こえてきた議論の内容だったり、そのへんに書かれてたホワイトボードの走り書きとかが見えるとか、そういう所から始まる突発的なコミュニケーションの事を指す。

よくタバコ部屋での会話がきっかけで仕事の話が回るとかいう話は出るが、それと少し似ている。要は偶発的なコミュニケーションが起こりやすい環境でトークするというのはきちんとした会議で決まることよりも重要な事がある。

さて、これを振り返ると、この偶発的なコミュニケーションというのは色んな所で実は応用できる。

例えばslackでの分報システムもそうだと思う。リモートというのを逆手に取って敢えて自分が今やってること、詰まってることを積極的に共有する仕組みで、偶発的なコミュニケーションを引き出そうとする。

c16e.com

もう少し話をすすめるとGitHubかなんかのリポジトリもチームやら言語やらで分けるよりもプロジェクトが1つのリポジトリでやった方が偶発的なコミュニケーションが生まれやすい。コードが見えるだけじゃなく、PRも見えるし、issueも見える。

実はgoogleなんかは1つの巨大なリポジトリでプロジェクトを管理してることが多いらしい。

Google の巨大レポジトリとブランチ無し運用 - Kato Kazuyoshi

ちなみにこの小噺はt-wadaさんとお昼を一緒になった時に教えてもらいました。

正しいものを正しく作る

正しさには厳密には2種類ある。 validation verification の2種類。

validation は語源を辿ると、value になる。つまり「価値があるかどうか」という意味。ソフトウェア開発で言うと、何かしらの数字に反映される事がvalidationを満たしていることになる。分かりやすく言えば売上があがる、コストが下がるとか。

verification は語源をたどると、veryになる。veryは「とても」と訳される事が多いが「まさしく」という意味。つまり、「まさしく在るべき姿」であるかどうかという意味。分かりやすく言えばテスト書いてるかどうかとかコードの設計が良いとか、直接的に数字に反映されるようなものじゃなく、プロジェクトとしてあるべき姿になっているかどうか。

どっちの正しさを満たすべきっていう話じゃなくて、両方満たすのが一番正しい。(ただこの手の締め切りを優先させるべきかテストを書いたほうが良いか等の話が出る度にどっちかに振り切った話が多い気がする。実際はどっちかだけ満たしても正しくない。)

確かに両方満たそうとしても実際はなんだかんだで取捨選択を迫られることは多い。もちろんその時はプロジェクトの状況や内容に応じて決めれば良い。繰り返しになるがどっちかを取れば良いというものじゃなくて、両方満たすのが圧倒的に正しい。

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もちろん両方満たすのなんて理想だと思う。ただし、両方満たせないのだとした時に今度はそれを埋められるように研鑽を積むべきだし、チームとしてどうあるべきかを振り返っていく必要がある。要は理想だからといって諦めるんじゃなくて両方満たせるようになろうよ技術者なら。という事を説いていきたい。

ちなみにこの格言は弊社の隣で一緒に開発している。 koichik から教えてもらいました。

来年もよろしくお願いします。皆様。