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富士ゼロックスを退職し、DeNAに転職します。

自分が退職エントリを書くことになる、というのは一年前、このブログを初めた時には考えもしなかった。この数ヶ月間、いくつか考えることがあったので、自分のためにも残しておく。

今回のエントリは多分めちゃくちゃ長いです。
最後にまとめがあるので、そこを見るだけでもいいと思います。

バックグラウンド的な

まず、今の会社、富士ゼロックスに入社が決まった時から「この会社に一生勤めよう」とか、「安定したメーカーに就職できたからこれで安泰だ」とかは全く思っていなかった。

せっかくエンジニアになったのだから、「ユーザーの生活・働き方が変わるようなイノベーティブな製品を作りたい」という思いを持ち、それを叶えようと思っていた。

富士ゼロックスに勤めると、プリンター、コピー機だけじゃなくて、ソフトウェア含めて色んなモノを開発しているから自分の視野の拡大できるだろうし、富士ゼロックスにはFXPALっていうソフトウェアの聖地、PALO ALTOからの合弁出資会社もあるのでそういうグローバルで最先端な場所から影響受けていれば、知見も広げられて良い、ぐらいに思っていた。

実際に「ワークスタイルを変革する」という富士ゼロックスのスローガンには就職活動の時にときめいたし、俺も何か一石を投じてやろうと思っていた。

入社してからの数年間、ただ言われたことだけをこなすのでは、FXPALとも絡めないし、視野の拡大もできない、一石も投じれないだろうと考えて色々な事を実践してきた。

  • 英語の学習 (洋書を読む、英会話スクールに行く、TOEICを受けて実力チェック)
  • ソフトウェア知識の拡大 (資格取得、なんか作ってみたり、たまたまJava言語仕様の翻訳者が会社にいたので、Javaの講義に参加したり。)
  • 仕事のあり方を考える (自己啓発本、Life hackを集めた本を読んでみたり。)

富士ゼロックスに入社したのは非常に幸運だったと思う。上記の事をやらせてくれる環境だったし、仕事も激務ではなく、それなりにプライベートの時間が多かった。上に書いた実践してきたことはそのプライベートの時間だったり、社内勉強会だったりで実施できた。

ただ残念ながら、入社して数年間は既存製品のエンハンスがメインだったため、FXPALと絡むことやワークスタイルを変革するような大きなことは実現できなかった。

何人かの社外エンジニアとの出会い


そんなこんなで、色々と吸収し、ある程度意見を言える立場になってきたので、今後の製品開発に向けて新しいソフトウェアアーキテクチャを考えようと思っていた。調べている内にNode.jsっていう面白そうなものがあるので触れてみようとおもって色々と調べていた。

そこで出会ったのがいま会えるアイドルオタク、すぎゃーん( @sugyan )氏。実はちゃんと出会ったのは1年前の東京Node学園祭2011の時。プログラマーコミュニティに入っていこうと思って、勇気を持って話しかけてみたことが最初でした。実は同い年であることが分かり、Perl, Python, Node.jsにアウトプットもしている非常に優秀な人だという事がわかった。

そのすぎゃーんさんの紹介で知り合ったのは からあげエンジニアこと、ささたつ( @sasata299 )さん。もともと、自分はデータベースエンジニアだったので、NoSQLについて調べている内に読んでいたNoSQLファーストガイドの著者であることが分かり、またも同い年であることがわかった。

(ちょっと二つ名はアレですが、)彼らと自分の間には何故こんなにソフトウェア技術力に差があるんだろうと思った。
考えてみると自分がやっていたソフトウェア知識の拡大は本を読んだり、自分満足のコードをチラホラ書くという単なるinputで、outputをしっかりしていないからこういう差が生まれるんだと思った。もちろん、バックボーンにある会社で任されている仕事量の差もあると思う。でも彼ら二人の同年代と話して、ソフトウェアの知識を広げたら、ブログなどで公開する、それを習慣づけようという意識が生まれた。同時にウェブアプリケーションも作成して公開しようと思った。

というわけで、この辺りから以下のことを心がけるようになる。

  • Webアプリケーションを定期的に作って公開をしよう。
  • 何か新しいことをやってハマったらそれをブログに公開しよう。
  • プログラマーのコミュニティにしっかり入っていってなるべく話しかけたりしてコミュニケーションを取っていこう。

丁度 dankogai さんのエントリに名言(弾言?)があるので、以下の言葉を引用します。

表に出さなければ、あなた以外の人にそれは存在しないも同じだからだ。
育てられるためには、まず存在を認めてもらわなければならない。
「Shut the fuck up and write some code」

そんなこんなで、一年前からぼちぼちとブログを書くようになった


webアプリケーションを作成してみたり、なにか新しいことに挑戦してハマったらそれについてブログやgithubで公開してきた。色々やっていると身につけた技術っていうのは使ってみたくなる。でも使いたいと思っても周りの「やってみようぜ!」っていうノリがないと実現できない。

これは富士ゼロックスに限らず、大きな会社でソフトウェアやっていればそうだと思うんだけど、基本的に一回作ったものの開発には保守的で慎重、つまりは新しいモノに対してノリが悪い。それ自体は悪いことじゃないんだけど、「新技術を学習しても使えなくて、それを試したいという好奇心を抑えつけながらこれからずっと仕事すんのかよ、」って思うと悲しくなった。それにやっぱりどうしてもハードウェア主体の会社なので、ソフトウェアに関してもオートメーション化や外注化を求められていて、コードを書く人っていうのは「言われた仕様を効率的に構築する人」というだけで創造性はそこにないと思われているような軽視した意見が多かった。「工場で作業している人」、みたいな印象なのかな。

そういう設計至上主義なことを言う人達は、一度中島聡さんのエントリでも見て欲しい。そこにもこれからのエンジニアはどうあるべきか書いてある。そこから引用する。

私には、この「自分でプログラムを書かない上流のエンジニアが詳細設計書を作り、下流のエンジニアがコーディングをする」という工程そのものが、根本的に間違っているとしか思えないのだ。「下請け」という弱い立場にあり、経験も少ない下流のエンジニアが、「仕事を発注してくれる大切なお客様」である上流のエンジニアに対して、「この部分は、設計を少し変更をした方がプログラムがシンプルに書けるし実行効率もあがると思うんですが、変えちゃっていいでしょうか」などと言うことが出来るとは思えない。下流のソフトウェアハウスの経営者にとっても、そんな余計なことを言うエンジニアよりも、仕様書通りのプログラムを納期以内に黙って作るエンジニアの方が使いやすいのではないだろうか。

という訳で入れて幸運だと思っていた会社だったけど、何かと不満が募るようになっていた。

そうこうする内にスカウト会社からメールが来るようになったり。


それでも最初は「全く俺のプロフィール読んでねーな」とか、「大量メールだろコレ」とか、「イヤ!いきなり英語!俺のブログ読んだって絶対ウソ!」みたいなメールであまりノリ気がしなかった。まぁ1つくらいは意見を聞いてみよう、30前の最後のチャンスかもしれないし、もしも上手く行かなくても、他の会社ってどんななのか知っておいたほうが後々役に立つだろうしって言うわけで1社のスカウト会社に実際に行って話しを聞いてきた。

そこから紹介されたのがDeNAという会社だった。気軽に相談できるような知り合いはDeNAには全然いなかったので、すぎゃーんさんから紹介してもらって実際に働いている社員の話を聞いてみた。

そこで紹介された池さん( @rokujyouhitoma )と竹内先生( @ytakeuch )の話を聞いて、非常に技術に前向きで、さっきの言葉で言えば、ノリが良い企業ということで段々興味が出てきた。在籍する人達を見て、こういうWeb業界を最前線で引っ張っている人達に囲まれて仕事がしたいと思うようになってきた。

そんなこんなで、実際に受けたのは8月中旬頃。8月の末には内定が出て、そこから退職交渉や引継ぎやらがあって、現在に至る。

これから


多分、ソーシャルゲーム系のアプリ開発に入ります。

もともとNode.jsが好きだったので、それ関連をやりたいとは言ってみたものの、やっぱりゲームを作ったことがないので、最初はこれまでのプラットフォームを使ったソーシャルゲーム開発から入ります。おそらくPerlをやることになるでしょう。もちろんNode.jsをやめる気はサラサラないので、やり続けます。入ってからのキャリアについてはまだ未定ですが、根底に流れている、エンジニアになったのだから、「ユーザーの生活・働き方が変わるようなイノベーティブな製品を作りたい」という思いは変わりません。FXPALの時に感じたグローバルな環境に身をおいて色々やりたいと思うことも変わっていません。
まだまだ全然技術者としての技術力は不足しているので、修行していきたいと思います。

まとめ


色々と書きましたが、まとめると自分が言いたかったのは以下のことです。

  • アプリを作って、ブログを書こう。
  • 東京Node学園やYAPCみたいなプログラマーのイベントに行って、勇気を持って話しかけてみよう。
  • 自分の技術を活かす場は社外にまで広げれば必ずあります。自分の好奇心に正直に技術獲得して行きましょう。


何が運命を変えるきっかけになるか分かりません。でも、自己実現をするためには自己表現から、です。

謝辞


最後に謝辞です。
多少批判めいた事を書きましたが、富士ゼロックス自身は社員の働き方に寛容な非常に良い会社です。そんな会社を去る時に小言を言いながらも送り出してくれた上司の方々、引継ぎでたくさん迷惑をかける同僚の皆さん、寂しくなるからと50人近く集まってくれた同期の皆さん、非常に感謝しています。

たくさんの人から送り出しの言葉をもらえて、自分は幸せ者です。
多分これからも会えなくなるわけではないので、定期的に会う機会を作って会いましょう。

そうそう、餞別にと空気清浄機とiPad miniをもらいました。

特にiPad miniは多分これでiPadアプリを作れという意志だと受け取ったので、なにか作って公開してみます。できたらまたブログで公開します!

皆さん、本当にありがとうございました。